洋梨の一種であるラフランスは、赤ちゃんに与えても安全な食材なのでしょうか？ 外皮を取り除き、芯やヘタを処理するのは理解できますが、いつからどの程度の量を与えるべきでしょうか？ また、アレルギーや消化に関しても懸念されるポイントです。摂取後に下痢や嘔吐が起きた場合、どのように対処すべきなのでしょうか？
ラフランスに関するこれらの疑問や不安について、多くのママたちが抱えていることでしょう。ラフランスについての詳細な調査を通じて、これらの心配を解消するための情報を提供します。
※正確には「ラ・フランス」と表記されますが、洋梨の代表的な品種として知られるこのフルーツについて、安心して赤ちゃんに与える方法や注意点についてまとめてみました。私が集めた情報が、ママさんと赤ちゃんにとって役立つものであれば幸いです。
赤ちゃんにラフランスはいつからどのように？
通常、日本の梨（和梨）と同じように、ラフランスは赤ちゃんにとっても離乳食の初期段階（ゴックン期）から与えても問題ありません。
十分に熟したものなら、皮をむき適切な大きさに切り、スプーンやフォークで潰して与えましょう。もしやや硬い場合はおろし金でおろして食べやすくします。ちなみに、ラフランスを含む洋梨では、「お尻側（つまり、枝の反対側や下側）」が一番甘くて美味しい部分だとされています。
赤ちゃんが食べてくれない場合はどうするか？ラフランスの味や果肉が合わない場合には、ベビーダノンなどの乳幼児向けヨーグルトに混ぜて与える方法もあります。これにより酸味が和らぎ、口当たりが良くなり、食べやすくなります。
加熱してから与えることを考える方もいるかもしれませんが、基本的に赤ちゃんに果物を与える際は加熱する必要はありません。しかし、いくつかのメリットもあります。
果物によっては甘味が増す
柔らかくなり消化が良くなる
食中毒の予防
体を冷やさない
アレルギーが出にくくなる
加熱により、多くの果物は甘味が増し、柔らかくなるため赤ちゃんにとって食べやすくなります。また、赤ちゃんは菌に対する免疫が未熟なので、加熱することで雑菌を除去するのも有効です。
アレルギーに関しては、加熱されたものと比べて非加熱の方がアレルゲンになりやすい場合があります。これは、熱によってタンパク質が変化し、アレルギーを引き起こす原因となるためです。
ラフランスも同様で、加熱したジュースやゼリーなら問題ない場合でも、生の状態で食べた際にアレルギーが出ることがあります。
これらの理由から、心配な方には食前に加熱することをおすすめします。ただし、デメリットとしては、加熱によって含まれるビタミン類が減少し、本来の風味が損なわれる可能性があります。
ラフランスは離乳食に向いているの？
まず結論から述べますと、ラフランスは離乳食として優れた果物と言えます。
消化に関しては、以下の点からお腹に優しく、消化が良いことが分かります。
消化にかかる時間は普通で、約1時間程度と言われています。これはリンゴ（約1時間）と同程度であり、バナナ（約2時間）よりも早いです。通常、体内にとどまる時間が短いほど、胃腸への負担が軽減されます。
食物繊維量はやや多いですが、これは消化に良いとされています。可食部100グラムに含まれる食物繊維は平均して1.9グラムであり、比較的適量です。リンゴ（1.5グラム）やバナナ（1.1グラム）と比べても消化への影響は穏やかです。
栄養面では、ビタミンCがビタミンEに次いで豊富に含まれており、銅やカリウムなどのミネラルも充実しています。
他にも離乳食に適した果物はありますが、秋から冬の季節に特におすすめのラフランスは、栄養価だけでなく旬の味わいも楽しめる点で注目されます。
食べ過ぎるとどうなるの？
ラフランスの分量についてご説明します。
赤ちゃんが初めて食べる場合は、スプーン1杯から始めましょう。無理なく食べられた場合は、徐々に量を増やしていくのが良いでしょう。ただし、一度にたくさん与えるのは避けてください。食べ過ぎると消化がうまくいかず、下痢を引き起こすことがあります。
赤ちゃんの月齢別に考えると、次のような目安があります。ただし、これは一般的な目安であり、個々の赤ちゃんによって違いがあります。
5ヶ月～6ヶ月（ゴックン期）・・・1～2切れ（約20グラム）
7ヶ月～8ヶ月（モグモグ期）・・・2～3切れ（約30グラム）
9ヶ月～10ヶ月（カミカミ期）・・・2～3切れ（約30グラム）
11ヶ月～1歳（パクパク期）・・・3～4切れ（約40グラム）
これらは「中サイズのラフランスの可食部」を基準にしています。ただし、形や切り方によって大きさが異なるため、皮をむいて実際にグラム数を量ることが良いでしょう。また、赤ちゃんに与えた残りは親が食べるか、小分けして冷凍保存すると便利です。
また、赤ちゃんの離乳食の内容や量、食後の変化などをカレンダーに記録しておくと、後から振り返る際に便利です。
ラフランスでアレルギーは出るの？
ここではラフランスのアレルギーに関する説明をします。果物に限らず、どんな食べ物でも多少のアレルギーの可能性があることを覚えておく必要があります。
政府の機関による資料によれば、アレルギーが最も起こりやすいとされる20品目の中には果物が5品目含まれていません（参照：消費者庁 アレルギー表示について）。ただし、これは絶対的な安全を示すものではありません。
症状としては、口の周りや舌、唇が赤く腫れる『口腔アレルギー症候群』があります。個人差がありますが、まれに嘔吐や下痢、全身に蕁麻疹、呼吸困難といった重症なケースも報告されています。食後1時間程度は赤ちゃんの口周りやお腹の調子に変化がないか注意深く観察しましょう。
もしも、ラフランスで赤ちゃんにアレルギー反応が出た場合、同じバラ科の和梨（日本梨）、リンゴ、桃、いちご、さくらんぼ、びわなどでも同様のアレルギーが出る可能性があります。
初めての食品を口にする場合は、「平日の午前中が良い」とされています。これは、万一のアレルギー反応が出た場合にすぐに病院に駆け込めるようにするためです。日曜祝日の夜などだと診てくれる病院が限られてしまいます。赤ちゃんの安全を考え、この点に留意しておくことが重要です。
まとめと私の体験談
まとめとして、赤ちゃんにラフランスを与える際のポイントは以下の通りです。
適切な時期: 生後5～6ヶ月くらいの離乳食初期から始めることができます。
加工方法: 皮をむいて食べやすく潰すか、必要に応じて加熱することで赤ちゃんに適した食べ方に調整します。
分量: 最初はスプーン1杯から始め、様子を見ながら徐々に量を増やすのが良いです。
アレルギーに注意: 食後1時間程度は赤ちゃんの反応に留意し、口周りやお腹の変化に注意を払います。
個人のアレルギー履歴を考慮: もしアレルギー反応が出た場合、同じバラ科の他の食品も検討する必要があります。
最後に、私自身には2人の娘（2歳9ヶ月と8ヶ月）がおり、最近下の子にもラフランスを試してみました。最初は戸惑いの表情を見せましたが、すぐに完食しました。食べる機会があれば、また与えてみるつもりです。要点を押さえつつ、柔軟に赤ちゃんと向き合いながら楽しい食育の一環として進めていくことが大切です。
