窓際族という言葉を聞いた時、最初に感じるのは二つの異なる感情かもしれません。
一つは「同情」、もう一つは「羨望」です。
しかし、窓際族の価値は、働き方や仕事観によって全く逆転することもあるのです。
価値観は人それぞれですが、一般的に窓際族を勝ち組とみなすのは簡単な結論ではありません。
この記事では、その背景にある理由について掘り下げてみました。
窓際族とは?
窓際族とは、「やることのない職場に追いやられた余剰社員」を指す言葉です。
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かつては終身雇用が確立されていた日本社会において、容易に社員を解雇することが難しく、年配の社員には名目上の役職が与えられながらも仕事が与えられないという状況が顕著でした。
窓際族の特徴/イメージ
役職があるが部下がいない
仕事がなく、1日中ネットサーフィン
座席が隅に追いやられている
通常、窓際族は会社に寄与せずにぶら下がっている社員を揶揄する言葉として使用されてきましたが、近年では働き方の変化や副業の台頭により、「窓際族」への憧れを持つ人も増えています。
本業の傍ら、余った時間を有効に活用して小遣いを稼ぐことができるならば最適です。月に1万円でも、会社以外からの収入を得ることは、今の時代においては魅力的な選択肢と言えるでしょう。
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窓際族が勝ち組・羨ましいと言える条件
窓際族が勝ち組と見なせるかどうかは、以下の3つの条件が満たされていることが前提となります。
条件1:仕事以外に情熱を向けられるものがある
窓際族は仕事が暇な状態です。仕事に充実感がなく、毎日が単調であれば、生活はつまらないものになるでしょう。しかし、窓際族が勝ち組とされるためには、仕事以外に打ち込める趣味や副業、学びの対象が存在することが重要です。例えば、定時で退社して追求できる趣味や副業があり、それに情熱を注げる場合、窓際族でも充実感を得ることができます。
条件2:今の待遇が今後も維持される
窓際族が勝ち組とされるのは、待遇が今後も維持される状態が続くからです。これには、成果が出なくても基本給や手当が貰え、社会保障もしっかり受けられる条件が含まれます。日本の終身雇用や年功序列の傾向が残っている中で、成果や貢献が求められなくても会社に在籍し続けられる場合、窓際族としての生活が勝ち組と言えます。
条件3:職場に居ること自体は辛くない
窓際族でいることは、メンタルが強くないと心を病むことがあります。会社に行っても仕事がない状態が続くことは、自分の存在意義を見失いやすくなります。また、周りからの期待や必要性を感じない中で仕事をしていることに疑問を感じることもあります。そのため、職場に居続けることが苦痛でないことが、窓際族が勝ち組とされるための重要な条件と言えます。
窓際族のメリット
窓際族でいることにはいくつかのメリットがありますね。
成果を期待されないこと
仕事の成果に対するプレッシャーや期待が少ないため、ストレスが少ないと感じることができます。
時間の柔軟な使い方
一般的に、窓際族は仕事が少ないため、時間の使い方が比較的自由です。これは自己成長や趣味に充てる時間を持てる利点です。
難しい仕事を回避できる
窓際族は、難しいタスクや責任の大きな仕事を振られることが少ない傾向があります。
ですが、確かにこの状況にも限界があります。例えば、仕事中に娯楽や長時間の休憩をとることはできないし、成果を求められない状況は、長期的には仕事の充実感を損なうこともあります。
これらのメリットも、個々の状況や人によっては良い点とは限りません。人それぞれの価値観や目標によって、窓際族でいることがプラスになるかどうかは変わるでしょう。
窓際族で居続けることが抱えるリスク
前述の章では、窓際族のメリットについてお伝えしましたが、窓際族で居続けることにはいくつかのリスクが潜んでいます。
リストラ・早期退職の対象となる可能性が高い: 窓際族は「やることのない部署に追い込まれた社員」であり、人員整理が必要な際には最初に対象となることがあります。経済状況の変化や企業の経営状態によっては、いつ自分の所属する企業が人員削減を行うか予測することは難しく、突然のリストラの影響を受ける可能性があります。
最近の事例として、新型コロナの影響により業績が悪化した企業が早期退職や人員削減を行った例が挙げられています。
仕事に身が入らなくなっていく: 仕事での充実感がなく、やることがない状態が続くと、徐々に仕事へのモチベーションが低下していきます。窓際族が仕事をすることに対して抵抗感を抱くようになり、仕事を拒絶する傾向が生まれることもあります。これは、長期間にわたり仕事がない状態に慣れることで、仕事に対するスキルやモチベーションが低下する結果と言えます。
継続的なスキルの維持や、やる気を保つためには、仕事に身が入らない状態でも自ら学び続ける姿勢や新しいプロジェクトに挑戦する意欲が必要です。