仕事をしていると、だれしもが時にはミスをします。そのような時、自分を責めて自信をなくしてしまうことがあります。
でも、失敗しても自信を持ったままの人もいますよね。
その大きな理由の1つは、失敗をどう受け止めるか、という点にあります。
そこで、今回は「失敗しても自信を持ったままでいるための考え方」について考えてみたいと思います。
起こったことには全て意味がある
まず、失敗した時に持つべき考え方の中で、重要なのは「起こったことには全て意味がある」という発想です。自己肯定感が揺るがない人たちは、そんな考えを最初に口にすることが多いです。
例えば、社内で重要なメールを誤ってお客様に送ってしまい、上司から叱られた時も、「それが起こったことには必ず意味がある」と捉えます。同様に、大切な書類を誤って削除したり、相手の気遣いに気づかずに失礼な態度を取ってしまった時も、「それが起こったことには必ず意味がある」と考えます。
この考え方を持つことで、失敗に対して「なぜこんなことが起きたのか」という意味を見出すようになります。失敗に沈んでいる時は、失ったものばかりに目が行きがちですが、実は失敗には意味があると考えることで、新たな視点が生まれるのです。
言い換えれば、失ったと感じるからこそ、落ち込んでしまうわけです。一方で、成功する人たちは失敗にも価値を見出す傾向があります。マシュー・サイド氏は「失敗の科学」で、「成功者は失敗を肯定的に捉える傾向があり、成功には必ず失敗が伴うことを認識している」と述べています。
ですから、まずは「ここからどんな意味を見出せるだろうか」と自問することが大切です。この問いかけが、失敗から得られる付加価値を見つける手助けとなります。
自己肯定感が高い人にとって、失敗も「成長の機会」なのです。関連記事では、失敗から意味を見つけるための「振り返り」のコツについても触れられています。前向きな考え方を身につけたい人にとって、役立つ情報です。
あのときあれがあったから今こうなった、と言えるように、今何をする?
次に挙げたいのは、小説やドラマを見ている時に感じるような「あの時の出来事が、この結末を導く伏線だったのか!」という驚きの感覚です。
つまり、「あの時の失敗が、今の自分を築いた一部だ」と自覚できるようになるために、どうすればいいかを考えることです。これが自己肯定感が高い人の秘訣です。
例えば、
・同期との成績差がついてしまった場合、1年後に「あの時の悔しさが今の自分を形作った」と実感できるように、今後どんな行動をとるべきかを考える。
・後輩から相談されない場合、「あの時の不安が今の自分を育てた」と半年後に実感できるよう、今何をすべきかを考える。
これらはすべて、良い結末に向かうための確かな出発点として捉え、そこから逆算して行動するアイデアです。
この発想は成功者によく見られるもので、成功者のインタビューを聞くと、たとえ苦労話でも「あの時、お客さんから厳しく叱られたことで気づきがあったんだよ」と、喜びを持って語ることがあります。
この考え方を使いこなせるようになれば、急激な変化や未来への不透明感にも対処できます。これから先、どのような未来を望むのか、そしてそのために今の失敗をどう受け止めるかを考えてみると良いでしょう。
自分の人生に影響を与える事ができるのは自分自身のみである
コミュニケーションでミスをしてしまった時、多くの人が「相手はどう思ったのかな」と気にしてしまいますよね。この考え方が自己評価を下げる大きな原因になることもあります。
そんな時、私も経験しました。相手が私に親切にしてくれたのに、私がその気遣いを理解できず、失礼な態度を取ってしまったことがあります。その時、相手の気持ちを理解できなかったことが悔しくて、「このまま失礼な人だと思われたかもしれない」と考えて涙が出てしまいました。
その時、自己評価が高い先輩が教えてくれた言葉があります。
「うん、相手の気持ちを理解できなかったのは反省しなきゃいけない部分だね。次回に生かそう。でも、他人がどう思うかは一切気にしなくていいんだよ。ただ、その出来事があったことを覚えておくだけ。自虐にならない前向きな反省をすることが大事さ。他人の意見に振り回される必要はない。お前の人生を決めるのは自分自身だから。他人の考えにエネルギーを費やすのは無駄だよ」
相手が「こう思われているのでは?」という考え、実は自分の中で作り上げた幻想なんだ、と教えてくれたんです。
相手はそんなこと言ってないんです。たぶん大したことではないですし、大抵のことは相手も忘れているんです。
自分の評価は一番自分に影響を与えます。他人の評価を気にするのも人情ですが、生産的でない「時間の無駄」だと思ったら、意識的に変えていくことが大切です。