引っ越しの際、引っ越し業者に依頼せずに自らの手で行うべき準備事項の一つに、「冷蔵庫の電源を事前に切る」という項目があります。
冷蔵庫は大きくて重たいため、適切な取り扱いが必要です。しかし、電源を切っておかないと故障の原因となり、引っ越しの際に不都合が生じる可能性もあります。引っ越し当日には、「引っ越しの何時間前に冷蔵庫の電源を切るべきか?」や「冷蔵庫の中身はどのように処理すればいいのか?」といったさまざまな疑問が生じるでしょう。
この記事では、引っ越し当日をスムーズに迎えるために、自分で行う冷蔵庫の事前準備について詳しくご紹介します。
冷蔵庫の電源はなぜ事前に切らないといけない?
引っ越しの際に冷蔵庫の電源を事前に切る理由は、冷蔵庫が電気で水を冷やして冷気を送り、内部を冷却している仕組みに関係があります。冷蔵庫内の冷気を均等に広げるためには、冷蔵庫内には管があり、これらの管には通常霜が付着しています。
引っ越しの際に冷蔵庫の電源を切ると、電力供給が断たれ、これにより管に付着していた霜が溶け始めます。しかし、このプロセスにより冷蔵庫内に水が溜まります。水が溜まると、周囲を濡らしたり、冷蔵庫自体が故障したりする可能性が生じます。
そのため、引っ越し前に冷蔵庫の電源を切って霜を溶かし、水を抜いておくことが重要なのです。この作業を行うことで、冷蔵庫を安全に運び出し、新しい場所での使用に備えることができます。
引っ越し前にするべき冷蔵庫の準備
引っ越し前の冷蔵庫の事前準備には以下の3つがあります。
1. 冷蔵庫の中身をカラにする:
引っ越しの1~2週間前から、冷蔵庫内の中身を確認し、計画的に食品を消費していく必要があります。引っ越し3~5日前には新しく食品を買うのを控え、残っているものをできるだけ消費するよう心がけましょう。特に家族が多い場合は、食品の余らせないように工夫しましょう。食品が残る場合は、クーラーボックスや発泡スチロールなどを用意しておくと便利です。
2. 電源を切る:
冷蔵庫の電源は、運搬する12~16時間前くらいに切るのが一般的です。引っ越しが朝であれば、前日の夕方くらいまでに電源を切っておくと安心です。ただし、メーカーや引っ越し業者によってはそれより早く電源を切ることを勧めている場合もあるため、心配なら確認が必要です。
3. 霜取りと水抜きをする:
霜取り: 冷蔵庫の電源を切り、コンセントを抜いたら、冷蔵庫の扉を開けておきます。霜が徐々に溶けるので、周辺に雑巾や大きなタオルを敷いておきましょう。最新の冷蔵庫は霜が付きにくいものもありますが、取扱説明書を確認してください。
水抜き: 霜が溶けると、水が蒸発皿もしくは水受けトレーに溜まります。約半日後に溜まった水を捨てれば水抜きは完了です。蒸発皿の場所は冷蔵庫本体の下か背面にありますので、注意して作業しましょう。
これらの準備を終えたら、冷蔵庫の内部に水分が残っていないことを確認し、清潔に拭き取りましょう。
冷蔵庫を自分で運ぶときの注意点
引っ越し業者に頼まずに自分で冷蔵庫を運搬する際は、以下の注意事項が重要です。
縦に積む: 冷蔵庫をトラックに積む際は、横ではなく縦に置くようにしましょう。これにより、冷却装置内のオイルが混ざることなく、故障のリスクを軽減できます。
固定と倒れ防止: 運搬中に冷蔵庫が倒れないように、必ず固定しましょう。冷蔵庫を倒すことは破損の原因となります。テープやロープを使用して確実に固定し、安全な状態で運搬しましょう。
扉の固定: 冷蔵庫の扉が開かないようにしっかりとテープで固定しましょう。開いたまま運搬すると、内部が破損する可能性があります。
電気コードのまとめ: 電気コードはまとめて冷蔵庫の裏にテープで固定し、ぶら下がらないように気をつけましょう。これにより、コードが引っかかって破損するリスクを軽減できます。
小物の処理: 冷蔵庫内の小物(卵ケース、製氷皿など)は固定するか、取り出して別に運びましょう。これにより、内部の構造を保護し、小物が故障の原因になることを防ぎます。
特に階段を通る場合は、冷蔵庫の下を支える方が重い部分を持つようにし、慎重に運搬しましょう。これらの注意点を守ることで、冷蔵庫を破損から守り、安全に運搬することができます。
引っ越し後の冷蔵庫は?
引っ越し後に冷蔵庫の電源を入れる際は、以下のポイントに留意すると良いでしょう。
適切な待ち時間: 引っ越し後、冷蔵庫を設置したら、すぐに電源を入れずに30分~1時間ほど待つことが推奨されます。これにより、運搬中の傾きや揺れからくる冷却液の安定化を促し、故障リスクを軽減できます。取り扱い説明書にも留意し、メーカーの指示に従いましょう。
冷却までの時間: 冷蔵庫の電源を入れた後も、即座に食品を入れるのは避けましょう。冷蔵庫内が十分に冷えるまでには時間がかかります。一般的に、冬場であれば2~3時間、夏場であれば10時間程度かかるとされています。冷蔵庫がしっかり冷えたことを確認してから、食品を収納しましょう。
扉の開閉に注意: 効率よく冷やすためには、冷蔵庫の扉の開け閉めは控える方
まとめ:引っ越し時の冷蔵庫は、余裕を持って準備を
引っ越しの際に冷蔵庫の移動は慎重に行う必要がありますね。引っ越し前に適切な手続きを踏むことで、冷蔵庫を安全に運び、新しい場所でも問題なく使用できるようになります。以下に、引っ越し前に冷蔵庫に対して行うべき基本的な手順をいくつか挙げてみます。
霜取りを行う: 引っ越し前に冷蔵庫の霜を取りましょう。霜が溜まっていると、移動中に水漏れの原因となります。また、霜取りをすることで冷蔵庫内が清潔に保たれます。
水抜きをする: 冷蔵庫には通常、解凍水が溜まる排水パンがあります。引っ越し前にこれを空にし、水抜きを行ってください。水が移動中にこぼれることを防ぐためです。
内部の清掃: 冷蔵庫内部をよく洗浄して清掃しましょう。食品の残り物や匂いが残っていると、新しい場所に移した際に不快な臭いが広がる可能性があります。
食品の整理: 引っ越し前に冷蔵庫の中の食品を確認し、余裕を持って計画的に消費していくことを心がけましょう。引っ越し直前に食品を処分すると無駄が少なくなります。
ドアを固定する: 冷蔵庫を移動する際には、ドアが勝手に開かないように十分な注意が必要です。必要に応じて、ドアを固定するためのテープやロープを使用しましょう。
これらの手順を踏むことで、引っ越し先での冷蔵庫のトラブルを最小限に抑えることができます。また、食品の無駄も減らせるので、効率的な引っ越しをサポートします。引っ越し作業が順調に進むことを願っています。