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肥料焼けの症状と簡単な回復方法を3つ紹介

「もしかして、野菜が元気をなくしているのは、肥料の与えすぎかもしれませんか?」と感じることはよくありますが、実際に肥料焼けなのかどうかを見分けるのは難しいですよね。

しかし、肥料焼けが引き起こされるパターンは限られており、それを知ることである程度見極めることが可能です。早い段階で気付くことで、野菜を回復させることもできます。

肥料焼けの原因によって対処法も異なるため、しっかりと見分け方を覚えておくことが大切です。

この記事では、分かりやすく肥料焼けの見分け方と対処法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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肥料焼けの葉っぱの症状と見分け方

野菜の元気がない原因として、肥料の与えすぎが考えられます。しかし、肥料焼けの症状は他の病気や栄養不足と似ていることもあり、見た目だけでは判別が難しいです。

肥料焼けの症状にはいくつかのパターンがありますが、それぞれの条件を知ることで見分けができます。以下に、肥料を過剰に与えた場合の症状とその条件について紹介します。

肥料焼けの症状① 霜に当たったように萎える
葉っぱが力なく垂れ下がり、霜に当たったような状態になるのが脱水型の肥料焼けです。これは肥料の濃度が高すぎて、根から十分な水分を吸収できなくなるために発生します。水不足や過剰な水分供給との類似症状がありますが、判別のポイントは以下の通りです。

症状が出る数日前に大量の肥料を与えた
畑全体ではなく一部の植物に症状が出ている
肥料焼けの症状② 葉っぱの周りが白っぽく変色
葉っぱの縁が淡い黄色から白っぽく変色するのが葉焼け型の肥料焼けです。肥料が過剰で発酵する際に発生するアンモニアガスが原因で、葉っぱが変色し、枯れてしまうことがあります。肥料不足の場合と症状が似ていますが、判別のポイントは以下です。

トンネル・ハウスで栽培している
若葉や苗に症状が集中し、畑全体に広がっている
高温の時期に硫酸アンモニウムや尿素、堆肥系の有機肥料を与えた
肥料焼けの症状③ 若い根っこが黒い(濃い茶色)
若い根が通常の白色から濃い茶色に変色するのが根腐れ型の肥料焼けです。根が死んでしまうため、全体的な黒さが広がると植物が死んでしまいます。水やりの過剰や有機肥料の不十分な発酵などが原因です。判別のポイントは以下です。

水の供給が適切でなくても根が黒くなっている
有機肥料を十分に発酵させずに施肥した
根に直接肥料を与えた
肥料焼けの症状④ 発芽しない
種をまく前に肥料を過剰に与えると、元気に発芽してくれないことがあります。芽が出ても成長せずに枯れてしまう症状です。元肥として不十分に発酵した有機肥料や、尿素や石灰系の肥料の過剰な使用が原因です。判別のポイントは以下です。

元肥として不十分に発酵した有機肥料を与えた
種に直接肥料をまいた
水やりや日当たりが適切でなくても発芽しない
これらの症状が出た場合、肥料焼けの可能性が高いです。注意深く症状と条件を見極めて、対処法を選ぶことが重要です。

肥料焼けの回復方法

肥料焼けを起こしてしまうと、一度ダメージを受けた葉や根っこはなかなか復活が難しいと言われています。特に苗の段階では回復する体力が不足しており、致命的なダメージとなることがあります。しかし、異変に早く気付いた場合や、苗がある程度大きくなり、体力が残っている場合は、復活させることができるかもしれません。

一度傷んだ葉や根っこは回復が難しいですが、植物にまだ体力が残っている場合、新しい葉や根が再生することがあります。では、そのためにはどのような対処をすれば良いのでしょうか。

回復方法① 水をたくさん与える
肥料を与えすぎた場合、水を大量に与えるのが効果的です。化学肥料の希釈を誤った場合などに該当します。肥料焼けは濃い肥料によって根っこから十分な養分を吸収できなくなるため、水で希釈することで改善されます。様子を見ながら3日間、通常の3倍程度の水を与えましょう。鉢植えの場合は日光の当たらない場所に置くのがポイントで、外部の刺激から植物を守ります。

回復方法② 肥料を取り除く
タブレット状の肥料を与えた場合は取り除きましょう。小さな粒の場合は、土をできるだけ取り除いて入れ替えることも効果的です。有機肥料が発酵途中であれば、土の入れ替えが有効です。有機肥料は発酵途中で有害なガスや熱が出るため、水で薄めただけでは不十分です。植え替えも検討してみましょう。

回復方法③ ハウスを換気する
「葉焼け型」の肥料焼け(葉っぱの周りが変色)ではアンモニアガスが原因となります。ハウス栽培している場合は換気を行い、ガスを放出させましょう。表面の土をかき混ぜて、蓄積したガスを排出させることも重要です。特に施肥した直後で外気温が高い場合は、肥料焼けを予防するために蒸気の方法を採ることも考えてみましょう。

肥料焼けとは?原理を簡単に解説

肥料焼けは、肥料を過剰に与えることによって引き起こされる現象です。一般的に、肥料が多ければ多いほど良いという誤ったイメージがありますが、これは真実ではありません。

しばしば、「人間も食べ物を食べすぎると具合が悪くなりますよね。それと同じです」といった表現が見られますが、これは正確な比喩ではありません。肥料を過剰に与えると、土壌中の栄養分の濃度が上昇します。これにより、植物の組織から水分が奪われるというメカニズムが働きます。

理科の授業で習った「浸透圧」の原理を思い出してみてください。物質は均等に存在しようとする性質があります。肥料焼けでは、土壌中の濃い栄養分が植物の細胞内に移動し、水分が外に抜け出すことで、植物がダメージを受けるのです。

したがって、肥料の使用は適切なバランスが必要であり、必要以上に与えないことが大切です。良質な土壌と適切な栄養補給が、植物の健康を維持するために重要です。

まとめ

肥料焼けは主に肥料の過剰な供給が原因ですが、意外と見逃されがちなのは有機肥料の使用方法に関する知識不足です。

有機肥料は通常、購入後に使用可能になるまでに「土に混ぜ込んでおく必要がある」作業があります。急いで使用したい場合でも、根元から離れた場所に埋め込んでおく必要があることもあります。

油粕や魚粉など、手作りの肥料を使用する場合も同様で、情報を手に入れても、根元に過剰にまいてしまうと植物は一気に弱体化してしまいます。

今回の記事で肥料焼けの症状について理解を深めたら、同時に肥料の使い方も見直してみることをお勧めします。これにより、美味しい野菜が実りやすくなることでしょう!

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