実は、レンコンが糸を引くのはその成分に起因するものであり、新鮮さとは一切関係ありません。包丁を入れるときに生じる糸は、ムチンと呼ばれる成分が絡みついているためです。
以前、レンコンが切られたときに糸を引くのは新鮮であるとの俗説を聞いたことがあるかもしれません。しかし、見た目だけでは新鮮さを判断するのは難しいことです。外見からはなかなかその新鮮さを見抜くのは難しく、誤解されやすいこともあります。
私も以前は、糸が引けば新鮮なレンコンだと思っていました。しかし、最近の研究によれば、それは違うようです。この記事では、なぜレンコンが糸を引くのかを詳しく解説し、また、美味しく食べるための期限についても考察してみたいと思います。
レンコンから糸が出るのは何故?
レンコンを包丁で切ると、ネバネバとした粘り気のある糸が出ることがありますが、この糸が出るのは新鮮だからとか、腐っているからというわけではありません。
ネバネバの食べ物の代表である納豆やオクラ、モロヘイヤ、里芋などと同じように、ネバネバの元となる成分が含まれているからなんですね。
ですので、新鮮でも腐っていても糸を引くので、「糸が引いたから腐っている」と一概に判断して処分しないようにしてください。
ちなみに、他のネバネバ食材のネバネバの正体は以下の通りです。
納豆:グルタミン酸&フラクタン(糖の一種)
オクラ:ペクチン(水溶性食物繊維)
里芋:ガラクタン(水溶性食物繊維)
モロヘイヤ:名称不明(水溶性食物繊維)
モロヘイヤに関しては固有の名称は調べられませんでしたが、オクラや里芋に関してはすべて水溶性の食物繊維がネバネバの正体でした。
レンコンについても、ムチンというのは間違った認識で、おそらくレンコンも水溶性食物繊維による「糸」なのだと思います。
レンコンを美味しく食べられる期限は?
ここでは、レンコンを美味しく食べるための保存期限についてご紹介します。
1. レンコンの賞味期限:泥付きの状態
洗っていない状態のレンコンは泥がついています。泥がついたままのレンコンは、野菜室や冷蔵庫で約15日間保存できます。レンコンは水の中で育った根菜で、乾燥するとすぐに傷んでしまうため、濡れた新聞紙などで包み、ビニール袋に入れて保存しましょう。もし長期保存を希望する場合は、レンコン一節をまるごとタッパーに入れて水に浸し、蓋を閉めて冷蔵庫に保管します。水は毎日交換が必要ですが、この方法で3週間ほど美味しく食べられます。
2. レンコンの賞味期限:泥なしの状態
洗われた泥がない状態のレンコンは、冷蔵庫で約1週間保存が可能です。泥がないとレンコンが乾燥しやすくなるため、保存期限は泥付きよりも短くなります。同様に、濡れた新聞紙で包んでビニール袋に入れ、保存してください。
3. レンコンの賞味期限:カットした状態
カットしたレンコンは約5日前後の保存期限があります。レンコンの穴が露出しているため、空気が入りやすく乾燥してしまいます。保存する際は、ラップなどで包み、穴から空気が入らないように気をつけましょう。
4. レンコンの賞味期限:新レンコン
旬の前に収穫された新レンコンは通常のレンコンよりも日持ちがしません。2日ほどしか美味しく食べることができないため、購入後はできるだけ早く調理することをお勧めします。