旅館の浴衣、格好良く決めると旅気分もアップ!
旅館に行くと、部屋着として浴衣が用意してあることが多いと思います。しかし、普段から浴衣や着物を着慣れていない方は、どう着たらいいかわからないと悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
もしなんとか着ることが出来たとしても、だらしない感じになってしまったり、着崩れしてしまったり…。なかなかビシッと決まらず、旅のテンションが下がってしまってはもったいないですよね。
せっかくの旅行ですから、バッチリ浴衣を着こなして旅気分を盛り上げたいものです。
そこで、今回は、旅館で自信を持って部屋から出られる、ワンランク上の浴衣の着こなし方についてお伝えしていきたいと思います。
浴衣は慣れれば簡単に着られます
浴衣、というと、とっつきにくいと思われがちですが、着物に比べたらずっと着方も簡単ですから、覚えてしまえば時間をかけずにさっと着ることができるようになります。
字からもわかるように、浴衣はお風呂上がりに着るパジャマのようなものです。そう考えれば気楽に挑戦できるのではないでしょうか。
浴衣の着方
では、浴衣の着方の基本を順を追って説明します。
1. VネックのTシャツなどの肌着を着たうえで浴衣を肩にかけ袖を通します。背中の縫い目が背中の中心に来るよう合わせ、前の襟の長さが左右同じになるよう整えます。
※素肌に直接羽織ると、汗をかいて肌に張り付いたりしてきれいに見えません。ワイシャツ同様、汗取りの用のアンダーシャツの上に浴衣を着るようにしましょう。襟元から中のアンダーシャツが見えると格好悪いので、Vネックのものや襟ぐりが深いものを選ぶのが着こなしのコツです。
2. 自分から見て右側の襟を引いて左側に入れ、その上から左側を上に重ねます。
※ここでの着こなしポイントアドバイスは「襟の角度に気をつけよう」です。
この時、左右の襟が同じ角度になっていないと、見た目も決まりませんし、着崩れもしやすくなります。
また、襟の角度も着こなしを左右します。開きすぎていてはだらなく見えますし、詰まりすぎると苦しそうに見えますから、鏡を見ながらちょうどいい角度を探してみましょう。
右側の襟をどの角度で左側に入れるかが重要です。
3. 帯を巻いていきます。
帯の中心をおへその下あたりに合わせて、腰骨に乗せるようなかんじで巻いていきます。
最後は、帯の左右の端を、それぞれ腰に巻いた帯の下に潜らせてほどけにくくした後、中心から右左どちらかにずらした位置で蝶々結びか、輪が片方だけの片蝶結びにして出来上がりです。
慣れてきたら「貝の口」という結び方もおすすめですが、蝶々結びでも問題ありません。
※腰骨のあたりで巻くと、着崩れしにくいですし、重心が少し下がって見えて格好良く決まります。
腰の上のほうに巻くと、女性の浴衣の着方寄りになり、男性の浴衣の着こなしにはイマイチな印象になってしまいます。
また、帯の結び目は体の中心にあると格好つかないかんじになりますので、ずらしたほうがよいでしょう。
浴衣を着る時に気をつけたいこと
浴衣を着る時に、着こなし以前に気をつけたほうがよいことがいくつかありますのでご紹介します。
浴衣の合わせは左前で
浴衣を着る時は、必ず自分から見て左側を上に重ねるようにしましょう。
右側を上に重ねると死装束と同じになってしまいます。これだけは間違えないように、くれぐれもお気をつけください。
女性は、ボタンシャツなどで右側が前になるデザインのものもありますが、男性はワイシャツなども左側が上になるので間違えることは少ないかもしれません。しかし、やってしまうと洋服のようにトイレで直すわけにもいかず大変恥ずかしい思いをしますから、間違えのないよう気をつけましょう。もし、浴衣に慣れない彼女や奥様とご一緒なら、さりげなくチェックしてあげてもいいかもしれません。
着ていく場所に注意
浴衣は、着ていく場所に注意が必要です。
はじめにも触れましたが、浴衣は湯上り着、いわばパジャマのようなものですから、フォーマルな場に着て行くのはマナー違反になります。
例外として、高級な生地で誂えたものに足袋着用で着れば着物と同格扱いになりオーケー、という場合もありますが、旅館の浴衣ではそうはいかないでしょう。ホテルによっては「浴衣で外出は控えてください」というところもあるようなので、くれぐれもご注意ください。
まとめ
旅気分を盛り上げてくれる浴衣。せっかく着るなら格好良く決めたいですよね。男性が浴衣を着る時に気をつけていただきたい着こなしのポイントは、襟元の空き具合と襟の角度、そして帯の位置です。
襟元は開きすぎず詰めすぎず、左右対象の角度になるように合わせる。そして、帯は腰骨に添うようにして締めると、重心が程よく下がって男性らしい着こなしとなります。
ただ浴衣は基本的に部屋着です。フォーマルなものではないので、着ていく場所には十分気をつけましょう。
それだけ気をつければあとは大丈夫です。浴衣を着こなして、旅の楽しい思い出をたくさん残しましょう!