寒い季節になるとしもやけができることがあります。患部は真っ赤に腫れ、痒くて我慢できないほど辛い状態になります。しもやけを経験したことのある方なら、そのつらさが理解できることでしょう。
しもやけで一番辛いのは、何よりも『痒み』です。真っ赤に腫れた部分が痒く、その痒みが我慢できないことがあります。そこで、「しもやけの血を抜いたら、痒みは止まるのでは?」と考えることもあるかもしれません。
実際にかかりつけの皮膚科の先生にこの疑問を聞いてみたところ、「痒みは止まり、ほとんどが一発で治癒しますよ」との回答がありました。このお話を踏まえて、しもやけの原因と一緒に詳しく調査してみました。
以下、その結果や詳細についてお伝えしますので、最後までご覧いただければと思います。
しもやけを針で刺して血を抜くと痒みや痛みは止まる?
寒い季節になるとしもやけができることがあります。患部は真っ赤に腫れ、痒くて我慢できないほどの辛い状態になります。しもやけを経験したことのある方なら、そのつらさが理解できることでしょう。
一時期、「しもやけを針で刺して血を抜くと痒みが止まる」と言われたこともありました。青森県生まれの筆者も、子どもの頃に雪遊びでしもやけになりやすく、おばあちゃんにそう言われた記憶があります。ただし、実際に針で刺すことは怖くてできなかったとのことです。
一部には「親が糸で足の指を括り付けて針で刺して血を抜く」といった方法を試みた人もいるようです。しかし、この方法でしもやけの痒みが止まるかどうかは個人差があり、かかりつけの皮膚科の先生によれば、「痒みは止まり、ほとんどが一発で治癒する」との回答がありました。
また、しもやけの症状に対しては「刺絡(しらく)」と呼ばれる治療法もあります。これは指先から血を抜く方法で、しもやけの鬱血状態を改善し、症状を緩和させる効果があるとされています。ただし、しもやけの程度や原因によっては他の治療法が適切な場合もあります。
しかし、自分でしもやけの血を抜く行為は慎重に行うべきです。しもやけの患部は腫れていて刺激に敏感になっており、針で刺すことは非常に痛みを伴います。さらに、しもやけは血行不良が原因で発生するため、血を抜くことが根本的な解決にはなりません。むしろ傷口から菌が入り、化膿する危険性があるため、慎重に行う必要があります。
総じて言えることは、しもやけの症状が気になる場合は、皮膚科の専門家に相談し、適切な治療を受けるべきだということです。
しもやけの原因は「寒さ」と「温度差」
しもやけは別名で「凍瘡(とうそう)」とも呼ばれています。この名称からもわかるように、寒冷な環境で発生しやすい症状の一つです。
しもやけは一般的に、真冬の極寒の時期に発症するものと考えられがちですが、実際には晩秋から冬の始まり、そして冬の終わりから春先にかけてが最も発症しやすいとされています。これは気温の変化による日中の温度差が影響しています。
しもやけの主な原因は血行不良です。人体は外部の気温に合わせて体温を調整する仕組みが備わっており、寒冷な環境では血管が収縮します。しかし、この収縮と拡張のプロセスが不調和になると、血液の循環が悪くなります。具体的には、動脈が収縮した後に温まると元に戻りやすい一方で、静脈は戻りにくい性質があります。この収縮と拡張の不均衡が続くことで、手足などの末端に栄養が十分に届かず、赤くはれたり痒みが生じるのがしもやけの特徴です。
したがって、しもやけは1日の寒暖差が大きい晩秋や冬の始め、春先にかけて発症しやすいのです。この時期には昼夜の気温差が大きくなり、体温調整機能が追いつかなくなることが原因となります。
しもやけの予防法
しもやけの症状に悩まされる経験者にとって、毎年の予防が重要です。以下はしもやけを予防するための自己ケアの方法です。
1. **体を冷やさない:**
– 寒冷な環境にいる際は、手袋や厚手の靴下などを利用して末梢部(手や足など)を冷やさないようにします。これにより末梢神経の血流が悪くなることを防ぎます。
2. **血行を良くする栄養素を摂る:**
– ビタミンEは心臓の働きを助け、血行を改善する効果があります。アーモンド、ホウレン草、モロヘイヤなどが含まれています。同時にビタミンCも摂取することで、ビタミンEの効果が向上します。
3. **マッサージやお風呂で温める:**
– お風呂に入ることでしもやけを温め、血流を促進させることができます。お風呂に入りながら患部をマッサージすることで、痒みが増すかもしれませんが、これは血流がいきわたっているサインです。特に手足にしもやけがある場合は、指をくるくると回すようにマッサージすると良いでしょう。
これらの予防策を実践することで、しもやけの発症を防ぎ、寒冷な季節をより快適に過ごすことができます。
まとめ
まとめ:
1. **刺絡で治癒するが、原因を解明した上での治療が必要:**
– しもやけに対する刺絡(しらく)という治療法があるが、原因を正確に把握した上で専門家の指導で治療を受けることが重要。
2. **しもやけの血を抜いて痒みを止めるためには注意が必要:**
– しもやけの血を抜くことで痒みは止まる可能性があるが、深く針を刺す必要があり、これには化膿の危険性が伴うため、自己処理は避けるべき。
3. **しもやけの原因は血行不良で予防が可能:**
– 血行不良がしもやけの原因であるため、血流を良くすることが予防の鍵。寒冷時には適切な対策を取り、末端を冷やさないよう心掛ける。
4. **重症化する可能性があるため専門家の診察が必要:**
– しもやけは放置すると重症化し、手足の切断などの深刻な状態に進行する可能性がある。自宅療法ではなく、甘く見ずに皮膚科を受診して専門家による適切な治療を受けることが重要。
しもやけは冬の肌トラブルであり、専門的な医療アプローチが必要です。自己処理や一時しのぎではなく、早めに医師の診察を受け、適切な治療を行うことが重要です。